平屋のお家が魅力的な理由とは?
平屋というと、ひと昔前までは若いお施主様にそれほど受け入れられていなかった感があります。
それは平屋に対して、田舎のおじいちゃんおばあちゃんが住むもの・・・外観が公民館っぽくてダサい・・・といったマイナスイメージが先行していたからに他ありません。
しかし、近年ではそういった価値観は最早古いものになっていて、ご年配の方のみならず若い世代のお施主様の中にも平屋の魅力に気付く方は数多くいらっしゃいます。
夢スマイル工房の運営母体であるほっと住まいるが施工したお家も含めると、2023年までで約14%のお客様が平屋のお家を建てられています。
14%というと少なく感じるかもしれませんが、施工件数のうち実質23棟が平屋で、その数は決して少ないものではありません。
・・・では、平屋には実際にどんなメリットがあるのでしょうか?
平屋のメリット
全てワンフロアでこなせる動線
平屋には階段がありません。・・・今更そんなこと言われなくても分かってますってくらい当たり前のことですが、階段が無いことによって間取りには大きなメリットが生まれます。
平屋・階段・高齢というワードを結び付けたとき、弱くなった足腰で毎日2階まで行ったり来たりするのが負担になるっていう点は想像しやすいマイナスポイントかと思います。
いずれ自分たちが年を取ったときに大変だから平屋を建てたい・・・そう考えるのは自然な流れですよね。
でも、足腰が丈夫な若いうちでも、全てワンフロアで生活をこなせる平屋の動線は大きなポイントです。
考えてみれば若い方もワンフロアの生活っていうものに結構慣れているんじゃないでしょうか?
たとえばアパート・・・2階や3階のお部屋を借りていたとしても、生活そのものはワンフロアで済ませていますよね。
メゾネットタイプだったとしても、玄関は1階でありながら水廻りや寝室等の生活スペースは全て同じフロアですよね。
そうしてみると、平屋の生活動線って意外と馴染み深いものだったりするのです。
階段が無い分だけ他のお部屋が広々と
2階建てで階段に使っていたスペースを他に当てられるのも嬉しいポイントです。
比較のため、2階建てと平屋建ての間取りをそれぞれ31坪で作成してみました。
寝室や子供室、玄関廻りや収納を両プランとも同じ広さに揃えてみると(紫色の着色部分が両プランとも同じ広さ)、同じ31坪の間取りでも平屋のLDKは2階建てのLDKに比べて4帖も広く設計出来ていることが分かります。
参考例のように階段に使っていた分でLDKを広げてもいいし、もう一部屋設けたり、収納に回してたりするのもいいでしょう。
或いは2階建ての間取り例のようにLDKも広さが充分ということであれば、坪数そのものを抑えてコストダウンを図るという選択肢も出てきます。
太陽光発電との相性が抜群
この間取りを立面図にしてみましょう。
2階建ての家と比較すると平屋は屋根の面積が増えます。
赤線で囲んだ屋根の面積を比較してみると、この間取りの場合、2階建ての屋根に対して単純に倍の面積を有しています。
面積が増えればそれだけ太陽光パネルを搭載できる余白が増えますので、相性は抜群といえるでしょう。
また、内装においても2階に部屋が乗っていない分、リビングなどの天井を勾配天井として開放的に出来る点も見逃せないポイントです。
外構費を安く抑えられる
家を建てることと外構工事は一体のもので、家づくりの計画の中には外構工事の費用も計上しておかなければなりません。
とりあえず家だけは建てたいから・・・外構はお金に余裕が出来たときに考えるから・・・と言って、実際に後から外構工事をやったという話はあまり聞きませんし、そういう方に限って何年経ってもそのまま手を付けずに放置してしまうものです。
そんな外構工事もコストダウンを図るために平屋の間取りは大きな役割を果たします。
先程から解説で使用している間取りを架空の100坪の土地に配置してみました。
この敷地だと平屋に比べて2階建ての家は随分と余白がありますね・・・。
敷地境界に設置するフェンスなどの施工費は変わらないかもしれませんが、駐車場やお庭の部分に関しては施工する面積が減る分、安く抑えられそうです。
このように建設予定地が広い場合、平屋というのは敷地利用の観点からも非常に有効な手段となり得ます。
さて・・・これだけ平屋、平屋とおススメしていると平屋ばかりになりそうですが、世の中そうでない以上、平屋にはデメリットもあります。
平屋のデメリット
建てられる敷地が限られる
広い敷地で外構費用が抑えられるという話の裏返しになりますが、コンパクトな敷地に平屋は向きません。
ほっと住まいるでは現在、掛川市の土地にモデルハウスを建築中なのですが、試しにその土地に先程の間取りを配置してみましょう。
この敷地は約50坪の広さで、2階建てならば駐車スペース3台分とちょっとしたお庭を設けるスペースもあります。
しかしながら、平屋のお家を建てた場合、建物はなんとか敷地の中に納まりそうなものの、とても駐車スペースまでは確保出来ません。
仮に駐車スペースが必要ないとしても、敷地に対して目一杯で建てようとすると、建ぺい率などの法規制により建てられないケースが発生する場合もあります。
あと、怖いのは水害ですね。
平屋は高さがない分、地震や台風による揺れの影響を受けにくいかもしれませんが、河川の氾濫などで洪水の被害に遭った場合、一時的に上階に避難するという行動が取れません。
全ての方に当てはまるデメリットではありませんが、浸水危険地域にお住まいの方はその辺りも懸念材料になってきましょうか。
コストが割高
平屋の住まいは2階建てに比べてコストが掛かります。
前段で例示している31坪の間取り・・・同じ坪数、同じ部屋数であっても、建物金額は平屋の方が高くなります。
平屋のメリットのお話で、太陽光との相性が抜群だということを述べましたが、屋根が大きくなるということは、それだけ施工費が掛かるということです。
同様に、2階建てと比較して施工費が余計に掛かるのが基礎工事です。
間取り例で比べても赤線で囲んだ部分に大きな差があるのが分かりますよね!?
平屋は値が張ると一般的に言われていますが、これらが割高になっている理由なのです。
まとめ
平屋とは建てられる土地を選ぶ、ちょっと贅沢な建物です。
敷地の条件、金額の条件・・・建てられる条件は2階建てに比べてハードルが高いものの、そのハードルを越えた先には魅力あふれる暮らしが待っています。
近年、人気が高まりつつある平屋・・・もともと平屋での家づくりを計画していた方はもちろん、そうでない方も条件が合えば検討案のひとつに入れてみては如何でしょうか。