木の平屋モデルハウス(浜松市)土台据え工事を振り返り・・・高耐震・高断熱を実現した米ヒバとMSフォーム
前回に引き続き、今回は大工さんが初めて現場で作業を行う『土台据え』を振り返ります。
土台とは、木造建築で基礎の上に横にして据える木材のことを言います。
一般生活において根幹とか元という意味合いで基礎と混同されがちですが、木造の建物で最初に登場する『木』が土台となります。
その土台ですが、土台で使用する木材には『米ヒバ』を使用。
ヒバは1cm成長するのに30年を要す木で、細かく重なる年輪は堅く締まっていて、家全体の荷重を支えるのに十分な強度を有しています。
また、害虫を寄せ付けない成分『ヒノキチオール』を大量に放出し、自己防衛本能を備えていることからも構造材として非常に優れています。
余談ですが・・・女優の石田ゆり子さんはヒバのファンで、丸太テーブルや携帯スタンド、まな板などのヒバ製品のインテリアを愛用されているようです。
さて・・・米ヒバの土台を基礎の上に据えていくところから作業は開始されるのですが、基礎と土台の間には『基礎パッキン』と呼ばれる黒い部材が設置されます。
基礎パッキンは床下の換気を行うことを目的としています。
写真を見てお分かりかと思いますが、パッキンには無数の穴が開いており、そこを空気が通る仕組みとなっています。
いくらヒバが害虫に強い材だとはいえ、木材である限りは白蟻生息の要因のひとつである湿気に対して策を講ずる必要があるのです。
ちなみに、今でこそ床下換気の主流となっている基礎パッキンですが、昔の主流は換気口で、職人さんの間では地窓なんて呼ばれ方もされていました。
乳歯が抜けたときにそれを地窓に放り込んだ記憶がある方もいらっしゃるのではないでしょうか!?
換気口を設けた場合、そこで基礎の鉄筋が途切れてしまい、強度的に落ちてしまう心配もあるため、夢スマイル工房では主流の基礎パッキンを標準仕様としています。
土台を組むと、今度は45cm間隔を基準として大引が設置され、更に大引と大引の間には床下用断熱材・75mm厚の『MSフォーム』がはめ込まれます。
このMSフォームは最も断熱性能が高くなる30倍発泡という発泡倍率の断熱材で、南極の昭和基地でも使用されていたとのこと。
極寒の地で40年間も品質が低下しなかったというのは安心できる実績ですし、また、非常に丈夫で、100kg乗せても耐えられるほど硬いというのも大きな特徴となっています。
昔の家はそもそも床下に断熱材が入っていることが少なく、冬ともなれば床下の冷気が直に床に伝わって底冷えを感じてしまっていました。
また古い家ではブカブカになった床をリフォームで修繕することがよくあります。
構造に対しての不安、住環境に対しての不満・・・それらの解消はまずは足元からということで、夢スマイル工房では剛床+高断熱仕様の土台を構築しています。