平屋が災害に強い理由とは?地震や台風の影響を受けにくい家
家を建て替えるなら、災害に強い住まいがいい。
子どもが遊び盛りで家族が楽しめる住まいを考えているご夫婦や老後のために夫婦二人の新しい住まいを考えている方は、家族を守れる住まいを理想とするのではないでしょうか。
近年の日本は災害が増えており、機能性のある住宅はもちろん、実際に被害に遭った時に素早く避難できる住まいが求められています。この記事では、災害に強い平屋についてご紹介します。
1.災害における平屋のメリット
地震に強い
平屋は地震に強い住宅として知られています。正方形や長方形に建物を建設することで、地震による衝撃をうまく分散することができるからです。複雑な形をした建物や途中で折れているような形の建物である場合、地震の衝撃が一点に集中するため、壁の破損や倒壊のリスクを高めることに繋がります。また、マンションやビルなど高層の建物の場合、地震の力を分散するために高層階であるほど部屋が揺れる傾向にありますが、平屋の場合は揺れを最小限に抑えることができる構造になっています。
上階の部屋に潰されない
大規模な地震が発生した際、災害の影響で家が平たく潰れてしまっている映像をご覧になった方もいるかもしれません。2階建てや3階建ての家は、屋根だけでなく上階のフロア全体を支えているため、常に強く大きな力が加わっている状態にあります。災害などで家を支えている支柱が崩れると、重さに耐えきれず、家全体がぺしゃんと潰れるようにして倒壊してしまうのです。平屋の場合は上階がありませんので、屋根の重さだけを支える構造になっています。屋根の重さには家を平たく潰すほどの重さはありません。
風の影響を受けづらい
上階のない平屋であれば、地震の揺れだけでなく、台風などによる強風の影響も少なく済みます。2階建てや3階建ての家は壁の表面積が広いため、その分強風による風圧も大きくなります。また、2階建て以上の住宅は、傾斜の深い屋根を設置しているケースも多く、横からの風だけでなく下から吹き上げてくる風の影響も受けることになります。台風が多い沖縄などの地域では平屋の住宅が多く見られるかと思いますが、平屋を選ぶことは災害に対する防御策といえます。
屋外へ避難しやすい
地震や台風などに強い平屋ですが、避難を必要とする緊急事態の際も、平屋のメリットが発揮されます。平屋での生活は1フロア完結型になっているため、玄関や窓からすぐに屋外へ避難できる構造となっているのです。
2階建てや3階建てにも窓があるじゃないかと思うかもしれませんが、上階で財産を探している間に逃げ遅れる、誰かが財産を探しているうちに統制が取れなくなって逃げ遅れる、身体が不自由で階段を早く降りられない、といった事態を引き起こす可能性があります。災害の際に家族で避難するまでの行動にバラツキがでず、躊躇なく外に避難できることが平屋のメリットになります。
2.災害における平屋のデメリット
浸水や土砂災害時は2階へ避難できない
災害対策としてのメリットが多い平屋ではありますが、浸水や土砂災害が発生した際に、2階へ避難ができないデメリットがあります。横方向への避難は可能ですが、平屋には高さがないため縦方向への避難ができません。ハザードマップなどを確認し、水害の発生リスクが小さい地域で建てる必要があります。
3.平屋を建ててはいけない災害リスクの高い地域
洪水時の浸水地域
デメリットの項目でもお伝えした通り、災害に強い平屋ではありますが、万能というわけではありません。水害で浸水するリスクの高い地域には平屋を建ててはいけません。自治体が公開しているハザードマップを事前に確認することが大切です。
土砂災害警戒区域
床下浸水などの水害と同様の被害をもたらす災害に、土砂災害があります。土砂災害の退避方法は、土砂の流れに対して直角に高い位置に避難することがセオリーとなっていますが、平屋には2階がないため、逃げることが困難になる恐れがあります。
イエローゾーンと呼ばれる土砂災害が警戒されている区域は、自治体が土砂災害リスクの高いエリアとして指定していますので、ハザードマップとあわせて確認するようにしましょう。また、イエローゾーンより危険な地域として土砂災害特別警戒区域がありますが、こちらはレッドゾーンとして自治体が指定しています。
レッドゾーンはイエローゾーンの中にある危険なエリアとなっているため、基本的にはイエローゾーンを避けていればレッドゾーンを避けることができます。できるだけ安全な地域で平屋の建築を検討するようにしましょう。
6.まとめ
地震や台風の影響を受けにくい平屋。揺れや衝撃への耐性や避難のしやすさを考慮すると、平屋の方が総合的に見ると災害に強い住まいといえるでしょう。もちろん、立地や建物の品質、素材の強度によって大きく状況は変わるため、平屋のメリットを最大限活かせるよう、プロに相談するのがおすすめです。