無垢の家はなぜ老後まで快適に暮らせるのか?
自然な木目に温もりを感じることのできる無垢材。無垢を家に使用することで、老後まで快適に暮らせる住環境を作りだすことができます。無垢材には、見た目の暖かさだけでなく、湿度調整や殺菌効果など、機能的に優れた部分も併せ持っているからです。
この記事では、無垢材を家づくりに利用することのメリットについてご紹介します。
1.天然木の香りと温もりに癒される
無垢材は自然を感じられる心地良い素材で、フィトンチッドと呼ばれる癒し効果があります。
木の温かみが心地良い
無垢材とは、丸太から切り出した一枚板のことで、二つとして同じものが存在しない味のある木目が特徴的で、自然そのものを切り取ってきたかのような心地良さを感じることができます。
無垢材は空気を多く含んでいる木材であり、外気の状況によって水分の出し入れをおこない湿度の調整をしてくれ、断熱性が高くフローリングよりも冷えにくい性質があります。見た目だけでなく、機能的にも快適な住空間を作り出してくれるのが無垢材です。
住宅に使われる一般的な木材として、フローリングが床材などにはよく使用されています。フローリングは、集合材と呼ばれる切り分けた木材を張り合わせたもので作られており、衝撃に強いというメリットがありますが、無垢材と違い、踏み心地が硬く冷えやすい性質があります。
フィトンチッドという癒し効果
無垢材には、フィトンチッドと呼ばれる癒し効果のある成分を発生させる働きがあります。
フィトンチッドとは、ロシア語のフィトン(植物)とチッド(殺す)を合わせた言葉で、植物が発する殺菌効果を意味しています。移動ができない植物が、細菌などから身を守るために作り出す化学物質で、日本でもフィトンチッドを含有する消臭剤などが市販されています。
フィトンチッドは日本語では森林浴効果と訳されており、森林浴をしているようなリラックス空間を作り出す成分であるとされています。森の中には虫や動物の死骸や糞尿が多く存在していますが、そこまで強い臭気を感じることは滅多にありません。
フィトンチッドには消臭効果などの空気を浄化する機能があるからです。また、抗菌作用があるため虫などが寄ってこず、カビが生えにくいといった効果もあります。
年が経つにつれて味わいが出てくる
無垢は年を経るごとに色味が変化するため、家で過ごす時間が増えるほど愛着も湧いてくることでしょう。
一般的には無垢材は太陽光で日焼けをして焦げ茶色に近づいていきますが、樹種によってその変化の仕方は異なり、黄色が強くなる樹種もあれば、飴色のように赤みが強い色に変化する樹種もあります。
より自然で艶やかな色味に仕上げたい場合はメンテナンスが必要になります。理由としては、木材に含まれる油分は樹種によって異なるからです。油分が少ない樹種については専用のワックスやオイルでメンテナンスをすることで、木材の劣化を防ぎつつ、自然で艶やかな色味に仕上げることができます。住まいに適度な手間をかけることで、無垢の家での生活をより楽しむことができるはずです。
2.無垢の木を使った家は健康寿命をのばす
無垢材が持つ浄化機能により、健康寿命をのばす効果が期待されています。
調湿効果でカビを抑制
無垢材には湿度を調節する機能があり、カビを抑制する効果があります。無垢材の内部には小さな空洞が集まっており、環境に合わせて空気中の水分を吸収したり吐き出したりしています。木材の中の水分を出し入れする働きがあることで、室内の湿度をコントロールしてくれるため、冬の結露や夏のカビの抑制につながります。
また、無垢材は人間が快適と感じられる湿度50%を保つように機能してくれるため、肌荒れや喉の痛みから守ってくれる働きもしています。無垢材を家屋に取り入れることで、清潔で健康的な生活を目指すことができます。
有害物質を含んでいない
無垢材にはホルムアルデヒドなどの有害物質が含まれていないため、シックハウス症候群などのアレルギー症状を気にせず快適に暮らすことができます。
シックハウス症候群とは、高気密な現代家屋において、建材に使われる化学物質に室内の空気が汚染され、咳や鼻水、蕁麻疹などのアレルギー症状が発生することです。
無垢材を使用することでアレルギーやアトピーといった症状を抑えられるため、免疫が未発達なお子さんや抵抗力が弱まっているお年寄りが住む家に、無垢材を取り入れることがおすすめです。無垢材は家に住む家族皆の健康を守る素材ともいえるでしょう。
3.まとめ
無垢の家が老後まで快適に暮らせる理由をご紹介しました。住宅に無垢を使用することで天然木の香りと温もりに癒され、住環境を整える効果で健康寿命をのばすことができます。癒しのある住まいで老後を過ごせるよう、ぜひ無垢材を家づくりに取り入れてみてください。