老後を考えたバリアフリーの家づくりで押さえておきたいポイント
老後を快適に過ごすためにはどのような家づくりをすれば良いのだろう、とお悩みではないですか。50代頃から子育てに手がかからなくなり、夫婦二人でゆっくりと過ごす時間も増えてきて、新たな生活に合った住まいを検討される方が増えています。今はまだ元気で動けているけれど、体の自由が効かなくなることも視野に入れた空間づくりを検討しなければなりません。
本記事では、老後を考えたバリアフリーの家づくりをするために押さえておきたいポイントをご紹介します。
1.老後の生活を考えた家づくり
夫婦二人での最適な家づくりをするのにおすすめなのが、1階で生活を完結できる平屋タイプの住まいです。理由としては、平屋なら夫婦二人の生活をそれぞれのプライベートも確保しながら楽しめる間取りを実現できて、家事に負担のないシームレスな導線を描くことができるからです。
夫婦といえども現役世代の頃は意外と別々の時間を過ごしてきた二人。同じ部屋・同じベッドで寝るよりは、同じ部屋・別々のベッドでお互いのプライベートを確保できるちょうど良い距離感も必要なケースがあります。また、今はまだアクティブに活動ができていても、これからやりたいこととできることに差ができ始めるギャップ・シニアという時期もやってきます。
家事や部屋の移動が生活の負担にならないように、玄関と居間、トイレと寝室、浴室と洗濯場などでスムーズな移動できるよう、導線を工夫する必要がでてきます。老後を考えたバリアフリーな家づくりを目指しましょう。
2.バリアフリーな家づくり:玄関
バリアフリーな家づくりのために、ポイントになる箇所をそれぞれご紹介します。
まずは家の出入り口となる、玄関までのアプローチについてです。玄関ポーチにはスロープを設置して、つまずきのリスクを無くす作りにすると良いでしょう。車椅子や台車の行き来もしやすくなります。
また、玄関に入ったところにはベンチを設置して、座って靴の脱ぎ履きができるスペースを用意しましょう。靴の脱ぎ履きは腰や膝に負担になりますから、腰掛けられるものがあると無用な怪我なども減るはずです。
ただし、玄関を無駄に広くしすぎないよう注意してください。広いと色んな物を置くようになって、片付かない家になってしまう恐れがあり、物につまずいて転んでしまい、大けがに繋がりやすくもなってしまいます。各所に手すりを設置して、日常使用はもちろん万一の時に体の体制を整えられるようにしておくことも必要です。
3.バリアフリーな家づくり:トイレ・浴室
続いてはトイレ・浴室についてのバリアフリーです。トイレと浴室には手すりの設置が欠かせません。なぜなら、座位になるため立ち上がる時に膝と腰に負担をかけることになるからです。
力の入れやすい場所は個人によって異なりますから、手すりを設置する位置を決める際は本人が立ち会いの元、実際に手を伸ばしてみるなどの調整をすると良いでしょう。
また、来客者もと自分たちで使用を分けるために2つトイレを設置しておくと、お互い気兼ねなく使えますし、時間がかかるようになっても安心できるはずです。
4.バリアフリーな家づくり:廊下
廊下は意外とバリアフリーが見落とせされがちになる場所です。スペースを広く取り、手すりを設置するのが一般的ですが、より前提となる部分を検討する必要があります。
それは、極力廊下になる部分をなくすことです。廊下を広くするアイデアはあっても、そもそも廊下自体を減らすことはあまり思いつかないのではないでしょうか。
廊下スペースを減らすメリットとしては、無駄なスペースを排除することと、室内と廊下の温度差によるヒートショックのリスクを減らすことです。不要な廊下は無くす方針で間取りを検討するのがおすすめです。
また、扉は全て引戸タイプにし、部屋と部屋の境目の枠をなくしてフラットにすると、つまずきなどの転倒リスクをおさえることにつながります。
5.バリアフリーな家づくり:寝室
最後のポイントは寝室です。夫婦として長年過ごしてきたといっても意外と生活リズムは違うもの。寝るタイミングが異なることはもちろん、相手のいびきが気になったり、布団の共有でストレスを感じたりすることもあるでしょう。できれば同じ部屋でもベッドや布団は分けておいた方が、お互い居心地良く過ごせることもあります。
ただし、部屋も別々にすると介護が必要になった時にお互いの様子が伺えなくなりますので、その点は二人が納得できるスタイルになるようよく検討するようにしましょう。
6.まとめ
バリアフリーな家づくりのポイントを解説しました。住み替えは老後を考え新たなスタートを切るタイミングではありますが、意外と盲点になりそうなポイントが見つかったのではないでしょうか。本記事を参考に、ぜひ快適な老後を送るための住まいづくりをご検討ください。