木の平屋モデルハウス(浜松市)屋根工事を振り返り・・・断熱材一体化屋根パネルの優れた施工性
棟木が上がると、引き続き工程は屋根の下地作業へと入ります。
一般的な木造住宅と比較し、夢スマイル工房の当該作業はかなり特徴的なものなので、ちょっとここでご紹介します。
その前に、まずは基礎知識として一般的な木造住宅の屋根の作業工程のおさらいから。
三角の屋根を構成するときに、天辺の一番高いところに横たわっている木を棟木(むなぎ)と呼び、その棟木と平行して段々に下方に取付けられていく木を母屋(もや)といいます。
そして、棟木と母屋の上端を直角に結ぶように取付けらた木材が垂木(たるき)。
垂木が取付けられるとなんとなく三角屋根の輪郭が見えてこようかと思います。
この垂木に瓦やカラーベスト、ガルバリウム鋼板などの屋根材の下地となる野地(のじ)を張れば、屋根の下地工事は完了となります。
さて・・・ここまでご紹介したのは『屋根』の下地工事。
瓦など、外部の屋根材を施工するための下地工事が完了したのに過ぎず、これとは別に部屋の内部・・・天井を張るための『天井下地工事』がさらに必要となります。
小屋裏空間を最大限に活用し、勾配天井を多用する夢スマイル工房の内観と比較するために板張りの勾配天井の例を挙げると・・・・・・
こちらのお宅では、まず断熱材の吹付工事を行い、その後、野縁(のぶち)と呼ばれる角材で天井下地を組み、その野縁の下地に仕上げとなるパインの天井材が取付けられているのが分かります。
つまり、一般的な木造住宅は・・・・・・
①屋根下地工事
②断熱材充填
③天井下地、及び仕上げ工事
・・・と、3段階の工事工程を踏んでいるのです。
ここで、肝心の夢スマイル工房の屋根下地工事なのですが、棟木や母屋を組んで屋根の三角を構成するところまでは一般的な木造住宅と何ら変わりません。
最大の特徴は屋根下地と断熱材、天井の仕上げ材が一体化したパネルをはめ込んでいくこと!!
工場でプレカットされてきたパネルをレッカーで吊って、所定の箇所に配置していきます。
パネルの裏側(下側)は軒裏、平ら天井、勾配天井と、それぞれの状況に応じた仕様となっています。
上2枚の写真では『断熱材』と記したところには木枠が写っていて、その存在を確認することは難しいですが、上から覗き込んでみると、この通り・・・木枠の間にぶ厚い断熱材がしっかりと詰まっています!!
断熱材まで一体化した、そんなぶ厚い屋根パネルですので、ちょっとやそっとのビスでは固定に不安が残ります。
・・・なので固定は、広げた手の平よりも更に長い、20cmの特大の専用ビスを何本も使ってしっかりと行います。
屋根パネルを施工し終えた様子を建物内部の方から見てみると、このように板張りの天井も同時に仕上げられた状態となります。
建て方の日に天井まで仕上がってしまうというのは実は非常に大きなメリットで、大工さんの施工手間が大きく減るのです。
勾配天井・・・特に1階と2階が吹抜のようにつながった大屋根デザインのケースでは、天井が圧倒的に高くなります。
住んでからは開放感を得られる反面、施工時においてその高さは、大工さんには負担となります。
大屋根の勾配天井を施工する際、脚立などの一時的な簡易足場では天井に到底手が届かず、大工さんは自身で下記写真のような大掛かりな足場を設置しなければなりません。
そもそもの天井下地・仕上げ作業に、足場の組み立て作業に足場の解体作業・・・それらの手間が省けることを考えると、夢スマイル工房の屋根パネルは職人さんにやさしい工法だと言えます。
また、一般的な工法では天井下地を組む際には野縁をカットした端材が出ますので、ゴミの削減という観点からしても優れていると考えられます。